川端康成の『雪国』の冒頭の一節ですね。

皆様お読みなったことはありますか?
有名なこの一節、この一節が私の知っている『雪国』の全てだったので、
冬ですし、コロナ禍ですし、スキー板背負って新幹線ホームに向かっている人を
うらやましがってばかりもいられないですし、新潟の田舎に帰る時に『雪国』の
舞台となったお宿の真横を通って帰りますし、馴染みのある土地が題材なら
そろそろこの機会に、と思い読み始めました。

スキーに行きたい気持ちの気晴らしになれば思ったのですが、
慣れ親しんだ魚沼弁が出てくるわ、思ったより『雪国』の時代が最近で、
オーストリア人のテオドール・エードラー・フォン・レルヒ(通称レルヒさん)が
日本にスキーを伝えた後だったようで、物語の中に「スキイ」が出てくるものだから
余計にもんもんとするという。。

日本文学を読みなれていないので、サクサクとは読めないのですが、
物語の中に自分の知っている風景が描かれていてなんとか読み進められています。

今シーズン、魚沼地方では多い時で240cmほど雪が積もったのですが、
『雪国』の中でも「七八尺(210~240cm程)」とか「一丈を二三尺超える(360~390cm程)」
と書かれていて、今以上に雪深い土地だったんだなぁとか、
雪の降る地域では道路に消雪パイプという温水管が埋め込まれていて、1m置き位にちょろちょろと
温水が噴水のように道路に流れているのですが、『雪国』でも「小さな泉水」と表現されていたりして
このシステム意外と古くからあったのね、そしてその頃とシステム変わらないのね、
と物語の感傷とは別のところで感慨深いものを感じています。

コロナの感染拡大により外出を控える方が増えているかと思います。
お客様からおうち時間のテレビをもう少しハッキリ聞こえるようにしたいというご要望も
うかがうことが増えました。
ワイヤレスアダプターというテレビの音が補聴器から直接聞こえるようになるとても便利な機械が
出ていますので、お店での試聴もおすすめしています。

毎日テレビを見るのも飽きた、耳が疲れた、そんな時は、ページをめくる軽やかな紙の音をお供に、
本の世界へ入られるのも良いのではないでしょうか。
今冬の一冊をぜひ探されてみてください。

リオネットセンター春日部店 瀧沢